困ったはなし

困ったはなし

ぼく困っているんだ

不況になると図書館利用者が増えるらしい。我が家も最近毎週

のように絵本を何冊も借りてくる。

我が家の場合は、図書館通いと不況とは直接関係ないのだが、

やはり無料というのは嬉しいものだ。

いろんな種類の本を無料で貸してくれるという図書館の存在は、

子供の読書の習慣づけにも分野を問わず

いろんな本に親しむためにも実に貴重だと思う。

Coco(子供の名前)は絵本の趣味がいい。

本棚から適当に引っ張ってきているだけなのに、よい絵本を引いて

くる。

今日借りてきたものの中にもよい本があって、

何度も何度も読まされる。

その中の 1 冊に小さな木の話があった。

森からちょっとだけ離れたところにポツリと立っている小さな木。

寂しいなあと思っていると、男の人がやってきて、

その木を掘り起こして背負って家につれて帰る。

家には足が悪くてベッドでしか生活のできない男の子がいる。

父親は家から出れない子供のために

小さな本物の木を大きなたらいに植えて、クリスマスツリーにする。

冬の間、木は男の子の家ですごし、

春になると父親は小さな木をもとの場所に植え戻す。

これから毎年、男の子と一緒に成長するように、

一緒にクリスマスを祝えるようにと願いながら。

次の年も、クリスマスイブになると、父親は少し大きくなった

小さな木を家につれて帰り、

小さな木は一家と友達と一緒に楽しいクリスマスを祝う。

そして、また春になると森に戻る。

その次の年、父親は小さな木を迎えに来ない。

小さな木は雪に埋もれながらとても寂しい気持ちでいっぱいだ。


「だいじょうぶだよ!ぼくがお友達になってあげるから!

ぼくがいるから!


Cocoは思わず大きな声で私に言う。


「そうだね。Cocoはやさしいなあ。」私は頭をなでなでしてから

本に戻る。


「さて、小さな木はもうクリスマスツリーになれないのかな?」

と私の言葉はちょっとCocoの不安を誘う。


「ちょっと、ちょっと、タオル。ぼく困ってるから。

ぼく困ってるんだ」


Cocoは目を赤くして涙ぐんでいる。


Cocoは本や映画のちょっとかわいそうな場面では、

いつも「ぼく困っちゃう。ぼく困ってるからタオル…」

と言いながらぐっとこらえている涙をふく。


小さな木のお話の結末はこうだ。

クリスマスイブの晩、森の中をたくさんのランタンと

クリスマスキャロルを歌う歌声がやってくる。

一家とその友達たちは、小さな木を家につれて行く代わりに、

森を抜けて

小さな木のところまでやってきたのだ。

そして、あの男の子も自分の足で歩いて。

色とりどりの果物やクッキーで飾り付けられた小さな木を囲んで、

一家と友達は父親のアコーディオンに合わせて

クリスマスキャロルを歌い続け、その歌は森の中にこだまする。



そして、Cocoは満足そうに本を読み終わる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 
アメリカで暮らす私の長男のお嫁さんの

「育児日記ブログ」

から転載しました。Cocoは私の孫の名前です。

おじいちゃんはこれを読んで

ウルウル目で「こんなの読ませてボク困っているんだ」と

駄洒落ています。





posted by 茉莉 at 18:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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