白い結婚

白い結婚

レカミエ夫人.JPG
「美女に生まれて幸せ?」


さあ、ごらんあれ!
この美女は誰でしょう?

前回に載せた画像のモデル「レカミエ夫人」です。

このブログのテンプレート(左側)にある女性。
前回のはパリのルーブル美術館にあるダヴィッドという
画家の描いた絵で、

今回のこの画像は、同時代にパリのカルナバレ美術館にある
ジェラール作のものです。

rekamie3.jpg
ジェラール作 カルナバレ美術館 「マダム・レカミエ」

ずみずしい輝くような肌を見せてしなを作り、
男に媚の視線をおくる若い女性。
なんともなまめかしく、しかもどことなく知性がありそうな。

最初ダヴイツドに依頼した肖線画はレカミエ夫人の気に入らず、
弟子のジェラールが制作することになったらしい。

おっぱいを強調するのが大好きな、叶姉妹も恥ずかしくって
逃げ出す美しさ、だよねえ。

豊胸手術なんてものがなかった時代だから、
これは本物の豊かな胸であろう。
まあ、依頼人に気にいられるように描くのが、肖像画家の
腕だから、誇張もあるかもしれない。

ナポレオンの時代のパリ社交界の花形。
歴史に名を残した美女。
だけどその一生は、必ずしも幸せだったとはいえない…。

レカミエ夫人、本名ジュリエット・ベルナール ( 1777-1849) は、
リヨン生まれ。フランス革命、ナポレオンの台頭と没落、
7月革命、2月革命と激動の時代を生きたフランス女性である。


彼女のサロンは、文芸愛好家たちの避難所であり、
常にヨ−ロッパ文学・芸術の話題が花開いていた。
政治的要素をもっと押し出していた他のサロンにくらべ、
独自のロマン主義的な道を歩んでいたのが大きな魅力だった
ようである。

それに加えて、美人でお洒落で聞き上手な女性が
主人公だったのだから、人が集まってくるのも当然だった。

サロン文化で果たす女性(特にマダム)の役割が大きかった話は、
古今東西の小説や映画で描かれているのでみなさんご存知だよね?

さて、マダム・レカミエ。
絶世の美女、だったから多くの人から求愛されたようだ。
それもみんな大物ばかり。
ナポレオン、プロイセン王子アウグスト、
歴史学者アンペール、哲学者バランシュ、
詩人シャトーブリアンなどなど、錚々たる面々。

しか〜し。その一生は…

レカミエ夫人は15歳で高齢の資産家と結婚をした。
それは白い結婚だった、と語り継がれている。

白い結婚 − 今でいうセックスレス・性生活のない夫婦。

ヨーロッパの歴史の中には、「白い結婚」という言葉が
あるんだそうで、つまり、ある種のねらいを持って形式的に
結婚するものの、実質的な夫婦関係を持たないもの。

レカミエ夫人と夫との関係も、そうだったのかもしれないと
いわれている。

結果的に彼女は、その後一生にわたって、
並みいる求愛者たちを退けて、清い身で過ごしてしまった
らしい。

以後、「なびきそうで、なびかない。」というのが、
彼女の恋愛作法となる。相手を幻滅させず、
男の心を捉えておくには、今もむかしも
これが一番良い方法であったのだ??

彼女が結婚したのは15才のとき、
相手は裕福な銀行家ジャック・レカミエ氏で42才。

一説に、レカミエ夫妻は実の親子だったというのがある。
レカミエ氏は、レカミエ夫人の母とかつて愛人関係にあった。

なぜわざわざ実子かもしれない女性を妻にしたのか?

革命の嵐が吹きすさぶ当時、明日の命も知れない状況で、
自分の財産を確実に相続する妻に、
かわいがっていた隠し子を選んだ、というのである。

…しかし、晩年は夫が破産したために、
修道院付属のアパルトマンに移らざるをえなり、
ここで、レカミエ夫人は30年という長い余生を質素に
過ごすことになる。

ここでは以前のような華やかなサロンは開けなかったが、
それでもたくさんの友人が足しげくアパルトマンを訪ねた。

彼女の晩年を飾ったのは、
詩人シャトーブリアンとの愛の日々。
やがて年老いた彼女は白内障を患い盲目となり、

シャトーブリアンはリューマチで動けなくなり…
妻は亡くなり、レカミエ氏もすでに墓の中、ここで
シャトーブリアンはレカミエ夫人に結婚を申し込んだのだが、
またもや彼女の答えは「ノン」だった。

「私がもう少し若ければ、喜んであなたに人生を
捧げたでしょうに。」
 シャトーブリアンが亡くなった翌年、レカミエ夫人は
パリに流行ったコレラに感染して亡くなる。71才であった。

…まあ、なんという人生なんでしょうね。
美女に生まれたって、みんなからチヤホヤ崇拝されたって
こんなの、本当に「生きた」っていわれるかねえ。

彼女は政治家でも文学者でも、国王を動かした女性でもなく、
ただその美しさと、華麗な恋愛遍歴(?)のみで名を残したので
あるが、今でもフランス人のイメージするフランス美人の代表、
だそうだ。

パリにある通りやレストランにも名前を残しているし、
日本でも宝石やお菓子、フレンチレストラン、カフェなどにも
「レカミエ」の名がついたのがあるらしい。

それにしてもフランスの歴史には、
後世にまで名を残す魅力的な美女が大勢でてくるよねえ!
それも〜夫人という形で。

宮廷では国王をはじめとして既婚者の自由恋愛が盛んだった
せいで?大人の女性が崇拝される下地があるんだって、
ウラヤマシイこと。

わが国は、30を過ぎると<ババア>とか言われてさ。
なさけなーい。

…というわけで、前ふりが長すぎて申し訳ないが
ちょっとこの「白い結婚」にまつわるハナシをしたかっただけ、
でした。

例の、アタシの若い頃の友人、
東南アジアに駐在していたとき、
某有名会社のサラリーマンの美人の奥さんK子の逢引きに
付き合わされたハナシ、ね。

彼女とその夫は「白い結婚」ではなかったが、ほぼそれに
近いものであった…。

またまた、次回へつづく。









 

 

 
 













posted by 茉莉 at 23:05 | Comment(2) | TrackBack(1) | 結婚
この記事へのコメント
おはようございます。
私は、ダヴィッドの描いた絵のほうが夫人の内面を描いていて名画と思います。

レカミエ夫人も数奇な運命ですが、スタンダールの「パルムの僧院」を読んで、主人公のサンセヴェリナ夫人が「白い結婚」をされていますね。
宮廷の人々は、政略上、いろんなパターンがあるのを知りました。

自由恋愛のようなとこがありますね。
Posted by nomychan at 2007年07月10日 10:29
nomychanさま

コメントありがとうございます。
本当にダヴィッド作の「レカミエ夫人」のほうが
気品があっていいですね。

さすが、大作『ナポレオンの戴冠式』を描いた
ダヴィッドだけありますね(と私も同じ作者
だったとネットで知りました)

ウーン、「パルムの僧院」昔読んだなあ。
同じスタンダールの「赤と黒」や、17歳の天才
ラディゲの「肉体の悪魔」なんかも、
青年と身分の高いマダムの恋をえがいた小説ですね。

「白い結婚」は今もあるんでしょうね、今の日本でも。
Posted by 茉莉 at 2007年07月10日 14:17
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